豊穣の角の覚書

マンガのお仕事をしていた頃 &今の暮らし あれこれ

ホラーな絵

子供の頃 怖いもの が ダメだった

 

遊園地のお化け屋敷も絶対入らなかったし ゾンビの映画はポスターからも目を逸らす

従兄弟が観ていた特撮もののテレビシリーズも怪人や怪獣を正視できなかった

 

ホラーマンガはちょっと違って

学校で同級生の間でコミックスが回し読みされていたし 雑誌を買えば好まざるものも掲載されていて忌避しようと思えばできるものを何故か読んでしまっては怯えていた

 

当時 人気の作品は絵がほんとに怖くて

画力の高い漫画家さんが多かったと思う

ページに触るのもおっかなびっくり

読後は何故か手を洗っていた

 

それがやがてアシスタントをするようになって 必要に応じて自分が怖い絵を描く機会が巡ってきた

お仕事なので 是非もない

 

描いてみると割と適性が有ったようで ホラー専門誌でちょっとしたカットや 実話怪談をコミカライズさせていただいたこともある

 

自分が描く立場になって、これは作り物だという認識が強くなったのかもしれない

どうやったらもっとインパクトのある絵になるかと考えていては恐怖にかられる余裕も無い

 

さらに アシスタント先での作業中 レンタルした映画を流すことがよくあって、毒々しいB級C級ホラーにも慣れた

 

これまで特に恐ろしかったのは 映画では 鈴木清順監督のツィゴイネルワイゼン まんがは 神様@手塚治虫火の鳥 未来編

恐ろしいと同時に強烈な魅力があった

 

今でもテーマパークのお化け屋敷には入らないし スプラッタは苦手だけれど 怪談は描きたいと思っている