豊穣の角の覚書

マンガのお仕事をしていた頃 &今の暮らし あれこれ

デビューの道筋

昨年の夏

たまたま 漫画家志望の方とお話しする機会があった

 

その方によると

昨今の編集者はネットで作家を探すことが多い とのこと

プロアマ問わず ネットで自作のイラストやマンガを公開している人は多い

その中から有望そうな人を見つけてコンタクトを取る方法は確かに効率がいいのかもしれない

 

ただし描き手にしてみれば ネットの海に膨大な作品が広がっている中で目立つのは、なかなか難しいと思う

その方も攻めあぐねているようだった

 

私の頃は持ち込みと言って、編集部に直接電話して原稿を見て欲しいと申し込むことが多かった

出版社を訪ねて応接スペースや近くの喫茶店などで目の前で原稿を読んでもらう

 

緊張するし、ため息つかれて凹むこともあったが

新人賞などに投稿するより持ち込みの方が成功率が高かったと思う

そのまま採用されることはなくても アシスタントの口を紹介してもらったり、「こういうの描ける?」と カットや穴埋めページーなどを描かせてもらったり次に繋がるきっかけになる事もあった

 

まあ小さなカットの画料など忘れられて踏み倒されることもあるし 慢性人手不足のブラックなアシスタント先に送り込まれる可能性もあったけれど

 

さておき 今でも同人誌即売会で編集者がブースを出し、その場で作品の講評をして貰える機会もあるようだし、デビューのチャンスはネット一辺倒という事も無いだろう

 

同人誌関係のイベントはコロナ禍で中止が相次いでいることもあり その方は編集部に直接アクセスを試みるとのことだった

 

漫画家になれるかどうかは 能力はもちろんのこととして タイミングや相性などの運も大きい

あとは行動力 かな

 

その方の描きたい物と私が連絡の取れる編集部は傾向が全く異なっていて ご縁はそれきりになったけれど、あれから半年 もう道は見つかったろうか